blog

ブログ

  • 2024年10月

    • 2023年11月

      • 2023年3月

        • 2023年2月

          • 2023年1月

            • 2022年010月

              • 2022年09月

                • 2022年08月

                  • 2022年07月

                    • 2022年6月

                      • 2022年5月

                        2023/11/17
                        皆さん、こんにちは。
                        インボイス制度が開始され、1か月が経過しました。
                        様々なところで、質問等を受けることが多くなりました。
                        今回は、視点をずらして、インボイス制度導入により、新たに消費税の課税事業者となった小規模事業者の皆様に向けて、消費税申告が簡略化できる制度のご紹介をしたいと思います。

                        消費税の申告の際には、売上にかかった受取消費税から仕入れにかかった支払消費税を差し引く『仕入税額控除』の計算を行います。
                        すべての取引について控除額を計算するのは非常に手間と時間がかかります。
                        そこで、通常の計算方法である原則課税のほかに、『みなし仕入率』をもとに納税額を求めることのできる『簡易課税制度』が設けられています。

                        消費税額を求めるには原則課税か簡易課税
                        消費税を申告する際に原則課税で仕入税額控除の計算を行う場合は、売上にかかった受取消費税から仕入れにかかった支払消費税を差し引き、その差額を納税することになります。
                        しかし、消費税は取引の内容によって、課税対象となる『課税取引』と、課税対象にならない『不課税取引』や『非課税取引』が存在し、原則課税で計算する際にはそれぞれ分けて計算・管理しなければいけません。

                        不課税取引は給与や出資に対する配当、寄附、贈与などの消費税が発生しない取引のことで、非課税取引は土地や有価証券、商品券などの譲渡など、本来は消費税がかかるものの、社会政策的配慮などにより消費税を課すのにふさわしくないとされている取引のことを指します。

                        さらに、2023年10月1日からスタートしたインボイス制度の導入によって、仕入税額控除が行なえるのは、適格請求書発行事業者が発行する適格請求書の形式に則った請求書や領収書のみになりました。
                        原則課税で仕入税額控除の計算をするには、適格請求書発行事業者の登録番号が記載された適格請求書と、記載されていない請求書や領収書を分けて管理する必要があります。
                        しかし、請求書などを分けたうえで、すべての取引について控除額を計算していたのでは、手間も時間もかかってしまいます。
                        特に規模の小さい中小事業者が負う事務負担は、計り知れません。
                        そこで、正確な納税額を求めさせるのではなく、『みなし仕入率』をもとに、おおよその納税額を算出して納税させるという、中小事業者の事務負担の軽減を目的とした『簡易課税制度』という制度が設けられています。
                        簡易課税に使用するみなし仕入率には下記の通り、6つの区分があり、業種によって割合が異なります。

                        第1種事業:90% 卸売業
                        第2種事業:80% 小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る)
                        第3種事業:70% 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業
                        第4種事業:60% 第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業
                        第5種事業:50% 運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く)
                        第6種事業:40% 不動産業

                        課税事業者はそれぞれ該当するみなし仕入率を受取消費税に掛けて、みなし仕入税額控除を算出し、さらに受取消費税から差し引くことで納税額を求めることができます。

                        消費税の計算の簡略化、節税となる場合もあり
                        簡易課税の最大のメリットは、計算する際に仕入れにかかった支払消費税の請求書や領収書が不要になり、事務負担を減らせるところにあります。
                        簡易課税で必要なのは、あくまで売上にかかった受取消費税だけなので、課税取引の有無や適格請求書の形式に沿っているかどうかなどは気にする必要がありません。
                        また、簡易課税で計算することで、業種によっては節税になる可能性もあります。
                        たとえば、サービス業を営む事業者のある期の売上にかかった受取消費税が40万円で、仕入れにかかった支払消費税が15万円だったとします。
                        その場合、原則課税で計算すると納税する消費税は「受取消費税40万円-支払消費税15万円」で25万円になりますが、簡易課税の場合は、「受取消費税40万円-(受取消費税40万円×みなし仕入率50%)」となるため、納税する消費税は20万円で済むことになります。

                        こうしたメリットのある簡易課税制度ですが、誰もが利用できるわけではありません。
                        簡易課税制度の適用を受けることができるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、『消費税簡易課税制度選択届出書』を事前に提出している事業者に限られます。
                        基準期間とは、消費税の計算・申告を行う時点(課税期間)から原則として個人事業者については前々年、法人については前々事業年度での期間を指し、課税売上高とは、消費税が課税される取引の売上高で、その金額が5,000万円以下になっている必要があります。
                        消費税簡易課税制度選択届出書は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに所轄の税務署に提出しましょう。

                        インボイス制度によって、免税事業者から新たに課税事業者になった事業者は、緩和措置の一つとして、納税額が売上にかかった受取消費税の2割に軽減される『2割特例』が適用されます。
                        しかし、期限は2026年9月30日までとなっており、期限を過ぎてからは原則課税か簡易課税で納税額を計算することになるため、注意が必要です。

                        インボイス制度の導入によって、さまざまな業務負担の増加が見込まれます。
                        みなし仕入率を用いた簡易課税制度の適用が受けられるのであれば、期限を過ぎてから慌てることのないように、早い段階で準備をしておきましょう。

                        ※本記事の記載内容は、2023年10月現在の法令・情報等に基づいています。

                        中間申告の概要
                        2023/03/31
                        3月も本日が最終日、決算シーズンの到来です。
                        確定申告書の作成、そして国税の納付は、ご苦労されていることと思います。
                        今回は、申告・納付の制度の一つである中間申告の概要について紹介します。

                        ・中間申告のメリットと対象企業
                        中間申告制度とは、事業年度開始から6カ月経過時点を『中間』とし、事業年度開始から中間までの半年分の法人税を申告・納付する制度です。
                        1年分の法人税をまとめて納付するのではなく、年2回に分けて納付するため、国にも企業にもメリットがあるといわれています。
                        国にとっては、税収が年間を通じて平準化できるとともに、倒産や業績悪化による滞納や未納のリスクを軽減することにつながります。
                        一方、企業にとっては、一度に多額の法人税を納付する必要がないため、納税資金確保が容易になるほか、期末に現預金残高が極端に減少することも防止できます。
                        では、どのような企業が中間申告の対象となるのでしょうか。
                        それは、前事業年度の法人税額が20万円を超えた場合です。
                        前事業年度の法人税額が20万円を超えると、当該事業年度の半年分の申告額が10万円を超えると見込まれるため対象となります。
                        つまり、起業したばかりの最初の事業年度の企業や、予定申告額が10万円以下の企業などは、中間申告を行う必要はありません。

                        ・中間申告の方法は『予定申告』と『仮決算』
                        法人税の中間申告・中間納付は、事業年度開始後6カ月後から2カ月以内に、申告・納付を行うこととされています(法人税法第71条)。
                        たとえば、10月1日に事業年度がはじまる場合、6カ月後である翌年の3月31日の翌日である4月1日から5月31日までの2カ月間で、申告と納付を行う必要があります。
                        中間申告の方法は、『予定申告』と『仮決算』の2種類があります。

                        ●予定申告
                        前年度実績をもとに予定納税額を算出して、申告・納付する方法です。
                        納める額は前事業年度の法人税額のほぼ半分となります。
                        中間申告の時期になると、税務署から送付された『予定申告書』に、予定申告額を記入して提出すれば申告が完了します。
                        手続きが簡単なのがメリットです。
                        予定申告では、実際の法人税額が確定する前に法人税を納付するため、下半期に業績が下がったなどの理由から、税金を納め過ぎるケースもあります。
                        その場合は、年度末に確定申告を行うことで、過払い分の還付を受けることができます。
                        <予定申告額の計算式>
                        前期実績基準額(予定申告額)
                        =前事業年度の確定法人税額÷前事業年度の月数(12カ月)×中間期間(6カ月)

                        ●仮決算
                        半期で仮決算を行い、申告する方法です。
                        仮決算による中間申告では、損益計算書・貸借対照表・勘定科目内訳明細書など、決算に必要な書類の提出も行うため事務負担が大きくなります。
                        それでも、前期よりも業績が悪化し、予定申告による法人税の納付が難しい場合などには有効な方法となります。
                        ただし、予定申告による納付額より仮決算による納付額のほうが高くなった場合には、仮決算による中間申告・納付はできないので注意しましょう。
                        <仮決算による中間申告額の計算式>
                        益金-損金=課税所得
                        課税所得×税率=法人税額(中間納付で納める法人税の納付税額)
                        たとえば、半期分の利益が830万円、損金(経費)が150万円、法人税率が15%と仮定して計算をすると、中間申告で申告する法人税額は102万円になります。
                        利益830万円-損金150万円=課税所得680万円
                        680万円×法人税率15%=102万円 (中間納付で納める法人税の納付税額)
                        予定申告の納税方法とその他の注意点
                        予定申告による法人税の納付方法は、以下の3種類です。
                        (1)現金納付
                        税務署から送付されてきた予定申告書を税務署に持参し、現金で納付することができます。
                        (2)クレジットカード納付
                        『国税クレジットカードお支払サイト』を利用して、クレジットカードでの納付が可能です。ただし、領収書が発行されないので注意が必要です。
                        (3)ダイレクト(e-Tax)納付
                        国税電子申告・納税システムであるe-Taxでも、法人税を納付することができます。事前にソフトウエアの準備などが必要なので、詳しくはe-Taxサイトをご確認ください。
                        なお、e-Taxを利用した場合、翌事業年度以降は予定申告書が送付されなくなります。その代わりにe-Taxソフトにメッセージで法人税予定申告についての案内が届きます。「予定申告書が送付されない=中間申告が不要である」というわけではないので、納税することを忘れないようにしましょう。
                        中間申告をしなかった場合、特にペナルティはありません。
                        なぜならば、申告期限内に中間申告をしなかった場合、「予定申告を行った」とみなされるからです。
                        これを『みなし申告』といいます。
                        ただし、申告をしなかったとしても、法人税の納付は必要なので注意が必要です。
                        注意したいのは、業績悪化などの理由から、「中間申告は仮決算で申告し、現預金を残しておきたい」と検討している場合などです。
                        期日までに仮決算で中間申告をしないと予定申告として扱われるため、予定申告額で納付しなければなりません。
                        また、仮決算をした結果、法人税の納付額が0円となった場合も申告は必要です。
                        いずれの場合も、中間申告をしなかったことが確定した時点で納付期日を過ぎているため、法人税の納付に加え、延滞税などが課せられます。
                        このほか、吸収合併があった場合は、中間申告による納付額が変わる可能性があります。
                        合併した際の納税額計算は複雑なため、専門家の助けを得たほうが賢明といえます。
                        また、仮決算による申告か予定申告か迷う場合なども、早めに専門家に相談し、検討を進めていきましょう。

                        ※本記事の記載内容は、2023年3月現在の法令・情報等に基づいています。
                        中間申告の概要
                        中間申告の概要
                        「為替利益」は確定申告するの??
                        2023/02/21
                        今年も確定申告の時期がやってまいりました。
                        2022年は歴史的な円安を記録し、厳しい経済環境といえますが、一方で外貨貯金などを通じて『為替差益』を得た方もいたのではないでしょうか。
                         外貨を円安のタイミングで円に換え、その差額で得た利益のことを為替差益と呼び、 確定申告が必要です。
                         そこで今回は、円安のタイミングで為替差益を得た人こそ知っておきたい、確定申告のルールについて説明します。
                        為替差益は『雑所得』に分類される
                        最初に2022年のドル円レートを振り返ってみましょう。
                        2022年3月上旬まで1ドル115円前後で推移していたドル円レートは、10月20日に
                        1ドル150円台に乗り、1990年8月以来となる32年ぶりの安値水準を更新しました。
                        その後はやや回復したものの、円安傾向が続いています。
                        この歴史的な円安により、為替差益を得た方もいたと考えられます。
                        たとえば、2022年3月の1ドル115円の時点で外貨預金した1万ドルを、1ドル136
                        円のタイミングで円に換えれば、136万円-115万円の差額である21万円が為替差益にな
                        ります。
                        この21万円から両替手数料を引いた額は、個人の所得になるため、税金がかかります。
                        給与所得者の場合は、会社が年末調整を行うので、確定申告をする必要はありません。
                        法人の経営者も、企業から役員報酬という名の給与を受け取っている給与所得者なので、通常、確定申告は不要です。
                        しかし、年間収入が2,000万円を超える給与所得者や、二カ所以上から給与の支払を受けている人のうち、二カ所目以降の年末調整されなかった給与収入や、給与所得以外に株の配当金(配当所得)や家賃収入などの所得の合計が、年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。
                        為替差益は、確定申告が必要な所得のうち『雑所得』に分類されます。
                        2022年のような急激な円安によって、給与所得者の場合でも、20万円を超える為替利益を得た場合には、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

                        雑所得同士で利益と損失を相殺させる
                        外貨を円に換える、逆に円を外貨に換えるといった両替を行うと、円が目減りすることもあります。
                        たとえば、1ドル150円で購入した1万ドルの外貨預金を1ドル136円のタイミングで円に換えると、150万円-136万円となり、14万円分損をしてしまいます。
                        為替による損を『為替差損』と呼びます。
                        為替差損となった場合は、所得が発生しているわけではないので、確定申告をする必要はありません。
                        ただし、複数の雑所得がある場合は、確定申告をしたほうが得になるケースもあります。
                        雑所得は為替差益のほか、公的年金など、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料など)、仮想通貨取引などの利益が該当します。
                        これら雑所得の間では、利益と損失を相殺させることができます。
                        雑所得で利益や損失を相殺するのが重要なのは、雑所得を含む所得にかかる税は累進課税方式だからです。
                        所得が多ければ多いほど税額は大きくなるため、利益と損金を相殺させて所得額を減らすことで、納める税金が少なくなります。
                        ちなみに、株などの配当金や外貨預金の利子などは支払い時に源泉徴収されているため、雑所得には入りません。
                        確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間のすべての所得と、所得にかかる税金を計算して、税務署に申告します。
                        確定申告期間は、翌年の2月16日から3月15日までとなっています。
                        為替差益で利益が出ているかどうかを再度確認し、忘れずに確定申告をしましょう。

                        ※本記事の記載内容は、2023年2月現在の法令・情報等に基づいています。
                        「為替利益」は確定申告するの??
                        「為替利益」は確定申告するの??
                        2023/01/08
                        年始行事も落ち着き、仕事初めの方も多いと思います。
                        今年も引き続き、お客様目線の支援をさせていただく所存でございます。
                        本年もよろしくお願いいたします。

                        昨年、『副業300万円問題』という言葉が巷を騒然とさせました。
                        300万円以下の副業収入は、『事業所得』ではなく、『雑所得』とするという国税庁の通達改正案に関して意見を公募したところ、意見が殺到したという一件です。
                        結果的に、改正案は大幅に修正され、事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度かどうかで判定する。
                        また、その所得の取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(一定の場合を除く)には、雑所得に該当することに留意することになりました。
                        以前から見解の分かれていた、副業が『事業所得』か『雑所得』のどちらなのかについて、ある程度明確になったといえます。
                        今回は、意見の公募を経て見えてきた、副業所得の申告方法について解説します。
                        そもそも今回の改正案の目的は、副業による所得を正しく申告してもらうことでした。
                        副業をした場合、収入の大小にかかわらず確定申告が必要です。
                        副業についても、開業届を提出して青色申告事業者となり、その収入を事業所得として申告すると、青色申告特別控除を受けることができます。
                        控除額は以下の3種類です。
                        ●55万円
                        ●10万円
                        ●65万円
                        さらに、事業所得が赤字になれば、給与所得と損益通算をして所得総額を減らし、所得税を還付してもらえることもあります。
                        また、3年間にわたり赤字の繰越も可能です。
                        このような有利さに加え、コロナ禍では、給付金の要件が事業所得であることに限られていたため、以前よりも副業収入を事業所得として申告する人が増加しました。
                        今回の通達改正案は、そうした状況に対し国税局が一旦、意見募集した形になります。

                        事業所得と雑所得の線引きは以前からあった
                        この件について考えるにあたり、まず『事業』とは何かを理解する必要があります。
                        事業とは、いわゆる『独立・継続・反復して行われる仕事』です。
                        趣味でつくったモノでたまたまお金を得ても、事業とはいいません。
                        さらに『営利性・有償性を有し、かつ、反復継続して業務を遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるもの』という国税不服審判所の裁決事例があります。
                        この裁判のコメントにはまた、『自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無、その者の精神的肉体的労務の投入の有無、人的・物的設備の有無、その者の職業・経験及び社会的地位等を総合的に勘案して判断すべき』という文言があります。
                        つまり、一回副業をした程度では『反復』はしておらず、商品を仕入れたり、経費をかけたり、労力を費やしたといったことが、事業であるかどうかの判断材料となります。
                        ほかに、副業やクラウドソーシングでよくあるのが『原稿を執筆したが、取引先名が分からない』というものです。
                        こちらも、もし事業について調査されたとき、証拠(反証)となるもの(請求書や領収書、支払調書など)がない場合は、事業所得として申告することができません。
                        このような場合は、はじめから『雑所得』として申告することになります。
                        取り消された300万円の基準とは?
                        公募に対しては、多くの意見が殺到しました。
                        主な内容は
                        ●『主たる所得』の判断基準がわからない
                        ●会社を退職せず起業しているビジネスマンはどうすればよいか
                        ●『反証』の範囲がわかりにくい
                        ●政府の『副業推進』と逆行している
                        などです。
                        国税庁の出した改正案は、当初『副業の年間収入が300万円以下なら雑所得』でした。
                        ただ、修正により『300万円』という記述はなくなりました。
                        しかし、勘違いしてはならないのは、完全になくなったわけではなく『記述が消えた』だけであるということです。
                        なぜなら、新しい改正通達案には注釈があり、『なお、その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く)には、業務に係る雑所得(資産(山林を除く))の譲渡から生ずる所得については、譲渡所得又はその他雑所得)に該当することに留意する』という記述が残されているからです。
                        ほかにも変更された部分があり、『帳簿書類の保存』についても言及しています。

                        副業収入を事業所得で申告するメリットとは
                        開業届を出して青色申告をしている人が事業所得で申告した場合、雑所得にはない、4つの制度が適用できます。
                        (1)青色申告特別控除が適用できる
                        (2)所得が赤字の場合、ほかの所得との損益通算ができる
                        (3)青色申告の『3年間繰越控除』が適用できる
                        (4)少額減価償却資産の特例が適用できる
                        それぞれについて解説します。
                        (1)については、雑所得には青色申告特別控除という取り扱いが存在しません。
                        そのためはじめから適用されることがない控除になります。
                        (2)については、損益通算できる所得は『不動産所得(一部出来ないものもあり)・事業所得・譲渡所得(譲渡するものにより一部除外あり)・山林所得』の4つです。
                        雑所得には損益通算という考え方はありません。
                        (3)および(4)について、これは青色申告している場合に適用できる控除であり、雑所得は適用外です。

                        これらを比較するだけで『事業所得で申告する方が有利』ということが想像できます。
                        しかし事業所得とするには『帳簿書類の保存』と所得税法第35条の注釈(業務に係る雑所得の例示)を理解している必要があるでしょう。

                        副業収入がある人は、確定申告の時期が来てから慌てないよう、やり方についてよく調べておきましょう。
                        とくに、所得税法の解釈の仕方は難しい部分があるので、自分で判断できない場合には、専門家に相談するのも選択肢の一つです。
                        正しい申告ができるように、早めに準備しておくとよいでしょう。

                        ※本記事の記載内容は、2022年11月現在の法令・情報等に基づいています。

                        2022/11/06
                        皆様こんにちは

                        コロナも社会情勢的にも落ち着いてきた中で、国税局や税務署の税務調査も活発化してきました。
                        弊所も複数の税務調査の立会を行っておりますが、最近の税務署調査の傾向として、税務署側は資料をよく見て調査に望んでいる印象があります。
                        会社側としては、真摯な対応と適切な受け答えを行うことが重要になります。
                        調査において、どの業種においても調査の対象となる交際費の考え方について、まとめましたので、ご参考にしていただければ幸甚でございます。

                        税務会計における交際費とは、取引先などに対する接待や贈答などを目的とした支出のことです。
                        税務上、交際費は原則として損金算入できないことになっていますが、期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人は、一部を損金として算入することが認められていました。
                        これを『交際費等の損金不算入制度』といい、成立当初は限定的な特例措置とされていましたが、複数回にわたり期限が延長されており、2022年度税制改正大綱にも2年間の延長が盛り込まれました。
                        課税負担を減らすことのできる交際費等の損金不算入制度についてご説明します。

                        飲食店を支援するため2年間の期限延長
                        日本には約382万の企業が存在し、その内の99.7%が中小企業です。
                        中小企業は、規模の面でハンデを負いやすい傾向があります。
                        そこで、中小企業を対象にした、いくつかの特例措置があります。
                        そのなかの一つが、『交際費等の損金不算入制度』です。
                        1954年に作られたこの制度は、度重なる改正を経て今に至ります。
                        そもそも交際費は『冗費』、無駄な費用であるとして、損金算入できないようにするのが国の方針でした。
                        しかし、接待などは円滑なビジネスを進めるうえで必要な費用であるという見方もあることから、損金不算入制度の一部を変更する措置が行われました。
                        特に中小企業では、交際費を使うことで売上の維持や拡大につながることもあり、交際費の損金算入は、その一部において可能になっています。
                        そもそもは臨時的な措置である制度でしたが、期間の延長も何度か行われており、2022年度税制改正大綱でも、景気対策の一環として2年間の延長が盛り込まれました。

                        この特例制度の延長には、企業活動の活性化とともに飲食店の利用を促し、新型コロナウイルス感染症の影響で苦境に陥る飲食業界全体を支援する目的があります。

                        交際費の範囲と損金算入できる金額
                        次に、交際費とはどのような費用をさし、どのようなケースが損金に算入できるのかを説明します。
                        交際費は、国税庁のホームページで『法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの』と定義されています。
                        つまり交際費とは、飲食等のために要する『接待飲食費』を筆頭とした取引先との会食や接待などで発生する費用のことで、従業員の福利厚生や会議の弁当や茶菓子などに要する費用は含まれません。

                        また、接待飲食費であっても、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である場合は、損金不算入となる交際費等から除かれます。
                        5,000円以下であれば、特例制度を使わなくても経費として計上できる(損金算入できる)のが、その理由です。
                        また、制度の利用は資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人にしか認められていませんので、注意が必要です。

                        資本金の額または出資金の額が1億円以下の中小企業は、損金に算入する額について、下記のいずれかを選ぶことができます。
                        (1)支出する交際費等の額のうち、接待飲食費の50%相当額以下の金額
                        (2)支出する交際費等の額のうち、年800万円までの金額

                        (2)の800万円までの額のことを『定額控除限度額』と呼びます。
                        たとえば、年間の交際費のうち、接待飲食費が1,000万円ほどになるのであれば、50%相当額以下の金額は500万円になるので、(2)を選択して、定額控除限度額である800万円を損金算入するほうが課税負担は軽くなります。
                        つまり、接待飲食費が1,600万円を超えるかどうかが、(1)と(2)の分かれ道になるのです。
                        接待飲食費の合計額が1,600万円に近づいたら検討する必要があります。

                        接待交際費についてのご説明は以上になります。

                        税務署の調査においては、これら形式要件と個々の実質的な要件を総合的に勘案し、税務署側に誤解のないよう、適切な説明をしていくことが肝要になります。
                        ホームページ開設しました
                        2022/05/13
                        この度、“袖山税務会計事務所”は新しくホームページを開設致しました。
                        私たちは会計事務所として東京都千代田区神田で50年間企業様や経営者様の会計業務のサポートをしてまいりました。
                        ウェブサイトを通じて“袖山税務会計事務所”のことを知っていただき、質の高いレベルでの税務サポートを全国の皆様に届けていきたいと考えております。
                        ブログページでは、税理士ならではの国税、国際税務、税務調査などに関する知識に加え、当事務所でのイベントや何気ないできごとなども発信していく予定です。
                        私たちのことを身近に感じていただければと思います。
                        “袖山税務会計事務所”を何卒よろしくお願いいたします。
                        ホームページ開設しました
                        ホームページ開設しました
                        お問い合わせはこちら